高校生時代の話です。私は女子高に通っていました。環境に慣れて来ると友人も増え、気の合う仲間同士で休み時間を過ごす様になりました。高校生の頃は「美」関してとても興味が高まる時期です。

お化粧品や洋服、スタイルの事などの話は男の子がいない分、気兼ねなく話題に出ます。私のグループは、私を入れて5人。その中に1人だけ少しぽっちゃり体型の子がいました。どちらかと言うと内気な性格で、自分の気持ちを言うのが苦手な子です。

そのぽっちゃり体型の友人は「小学生の頃からダイエットをしている」と言っていました。小学生の頃など、好きな事をし、好きな物を食べ、走り回った思い出しかない私には想像もつきませんが、それは辛い思い出だったのでしょう。あまり聞いてはいけないような気がして、周りの友人も彼女の体型の事や、ダイエットの事に関しては深く聞かない様に気を使っていました。

私の高校は栄養と被服に関して特に重点的に学ぶ科だった為、3年間クラス替えはありませんでした。なので仲の良い友人とも3年間同じクラスで学ぶ事になります。

高校2年生の頃には、そのぽっちゃり体型だった友人以外はみんな彼氏が出来、ますます「自分磨き」に余念がありません。その時に(後から知った事だったのですが)、ぽっちゃり体型の友人は自分の体型に持ていたコンプレックスを大きくしてしまったのだそうです。

そんな彼女も3年生になる頃には体重はピーク時より15kgも落ち、スマートに。みんな、彼女がダイエットで痩せていく事を一緒に喜びました。

その頃です。彼女からの連絡で「体調を崩し自宅療養しなければいけないから少しの間学校を休む事になる」と聞き、「どうしたの!?」と問いただすと「実は過食症になってしまって、月経が半年来ていない事が母親にバレた」と言いずらそうに話していました。酷い頭痛と貧血などの症状もあり、母親に通院と体力を戻す為に食べる事を約束をさせられたのだと言っていました。

過食症について病名は知っていたけれど、詳しく知らなかった私達はすぐに過食症について調べました。

余り自分の体型についてのコンプレックスを話そうとしなっかった友人が、どれほど深く悩んでいたかを知り、みんなで落ち込みました。そして彼女が復帰したら必ず協力する!とみんなで決意し、友人に伝えに行くと、過食症の事を話せた事で気持ちが楽になったのか、今までの経緯を話してくれました。

彼女から見える私たち4人は輝いて見え、自分に嫌悪感を持つ様になった事がきっかけだった事、なのに食べる事は止められず、食事制限や運動も長続きしない。そこで思いついたのが下剤だったそうです。下剤を飲み始めたのですが、下剤は薬なので良くないかもしれないと思い立ち、食べた後はトイレで吐く様に。それを1年近く繰り返していたそうです。

彼女は長く過食症と戦う事になりました。大学を卒業する頃には食べる事に嫌悪感もでなくなり、彼氏も出来た事で自分を認められる様になったらしく、体重は拒食症の頃に比べると10kg程戻ってしまったと笑える程に心も体も良くなりました。「ダイエットはしているけれど、やっぱり体重はなかなか落ちないんだ。ちゃんと食べてるからね!」と言う言葉を聞いて安心しました。

今では2児の母親です。出産と育児を経て又ぽっちゃりしてきたけれど、20年近く経ち、過食症は完璧に克服した様です。

ダイエットの失敗を繰り返すと、どうしても自己嫌悪に陥りやすい物です。ダイエットの失敗を繰り返していると、誰でも彼女のように過食症になる危険性を持っているのかもしれません。身近にそんな経験をした友人がいるだけに、今でも他人のダイエットの失敗を軽く考られません。ダイエットばかりと向き合い過ぎず、健康とも向き合い、気楽にダイエットを楽しんで欲しいと思うばかりです。